後輩くんは溺愛を隠せない
春奈も胡桃も、興味津々に聞いているけど、何故か夏樹くんの視線は私に向いている。
「な、なに?夏樹くん......?」
「なんでもないですよ~」
サラッと流した夏樹くんは、そのまま2杯目を注文している。
「そんなことより、北見さん!仕事中の紗知先輩ってどんな感じなんですか?」
そんなことよりって、ーー夏樹くんはいきなり何を言い出すのだ......。
「紗知はねーー」
そして、春奈は何故かノリノリで答え始めた。
「自分より、周りを優先するの。それで、実績も着いてくるから凄いのよね。
真似したくても、真似出来ない感じ!
......ちょっと抜けてる所もあるけど、頼れるし、仕事してる時の紗知はカッコイイよ」
「ちょっ......!春奈......!」
慌てて止めようとしても、熱弁している春奈には、聞こえていないらしい。
「夏樹くんも、そんなこと聞いても面白くないでしょっ!」
改めて言われると、いくら春奈からでも恥ずかしい。