後輩くんは溺愛を隠せない


それに、こんな顔ってーー失礼なっ!


悪かったわね、こんな顔で。どうせ、見苦しい顔ですよ......。


心の中で突っ込みながらも、落ち込んでくる。


しかも、春奈のは褒めてるのか貶してるのか分からない。



「「同士......!」」



そう言って、何故か目を輝かせている2人。


そして、2人して手を取り合わないで......。


胡桃も二人の会話に頷いてるしーー、私にはついていけない。もう放っておこう......。


そう思って、ちびちびとグラスを傾けていると、突然呼ばれた。



「ということで、紗知先輩?」


「え?」



なにが、ということでーーだ。


夏樹くんに、いきなり呼ばれるとは思っていなくてびっくりする。



「俺、紗知先輩のこと誰にも渡さないんで、覚悟しててくださいね?」


「......?わかった」



どうして覚悟が必要なのかはよく分からないけど、分かったことにしておこう。


ここで分からないと言うのは、なんだか面倒くさい事になりそうだ......。

< 29 / 214 >

この作品をシェア

pagetop