後輩くんは溺愛を隠せない


寝ているだけと知り、安心した俺は、紗知先輩が痛くならないようにそっと横にし、俺の足が枕になる様に寝かせる。



「紗知先輩、お酒弱いですもんね......、何杯飲んでたんですか?」



それぞれが自分で注文していたため、他の人が何杯飲んでるかなんて、気にしてなかった。


俺は、紗知先輩が頼む時に一緒に頼んでいたから覚えているけれどーー。



「たしか、4杯だったかと...…」



俺がそう言うと、北見さんと斉藤さんはありえないと言うように顔を合わせていた。



「ごめん、止めるの忘れてたわ......。
いつもは2杯までで、自分で辞めてるから油断してた」


「えっ?2杯ですか......?」



北見さんは申し訳なさそうに言ったけど、俺としては、そのあとの言葉にビックリだ。


既に8杯のビールやら強いお酒やらを飲んでいる俺には、2杯で酔ってしまうということに驚いた。



「うん、3杯目になるとフラフラしてて帰れなくなるから、いつも2杯で終わらせるようにしてるの」


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