後輩くんは溺愛を隠せない
「えっ、ちょっ......」
「私はお会計してくるから」
北見さんと斉藤さんの連携で、あっという間に話が進む。
俺が送っていけるのは嬉しいけれど、こんなに可愛い紗知先輩と2人きりにされて、理性が保てるのか心配だ。
俺が戸惑っている間に北見さんが、サッと伝票を取り上げた。
ぱっと帰り支度を済ませた2人は、さっさと席を立っていた。
「俺も払います!」
「いいからいいから、今日は歓迎会って言ったでしょ?」
「いや、でも......」
1番飲んだの俺だしーー。
「いいから、素直に奢られときなさい」
北見さんは意外と男前だった......、一切譲る気はないらしい。
「ーーありがとうございます」
歓迎会と言ってくれているのだから、ここは素直に奢ってもらおう。
「その代わり、沙知のことよろしくね。私たち先に帰るから、後の2人はゆっくりどうぞ~」
そう言って、北見さんと斉藤さんはウインクをしてからお会計をしに行った。
あぁ、もう、どうしてくれるんだーー。