後輩くんは溺愛を隠せない


でも、そのまま放置されるより良かったのかな。



「ーーえっと......その、ありがとう」



とりあえず、お礼は言っておこう。


春奈達は家もっと遠いから、早く帰らないといけなかったのだろうし。


パニックになっていた頭が、少し落ち着いてきた。



「あと、その......」



落ち着いた私をチラチラと見ながら、夏樹くんはなにかを言いにくそうにしていた。



「ーー見えそうです......」



その言葉だけでは、意味がわからなかったけれど、夏樹くんの視線を辿ってみる。



「ふぁっ!?」



視線を下げて、胸元を見るとブラウスのボタンが3つ外れていて、今にも見えそうになっていた。


慌てて、ブラウスをぎゅっと握り、前を隠す。


見られた!?恥ずかしすぎる......。


顔が熱くなるのを感じながら、キッと夏樹くんを見た。



「えっと、すいません......見るつもりはなくてーーその......」



その、しどろもどろな感じが怪しい。


疑うような目を夏樹くんに向ける。

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