後輩くんは溺愛を隠せない



「はい。だから、私も気になったんですけど......。
社長だか、部長だか、本部のお偉いさんのお子さんらしいですよ?」



私の最新情報は、ほとんど胡桃から入ってくる。


一体どこで聞いてくるのやら......。


にしても、社長か部長ってーー位の差がありすぎるでしょ......。


まぁ、噂は噂でしかない。


気になるけれど、知らせが来るまで待とう......。


きっと近いうちに、発表されるはずだ。


そう思っていた私は、直ぐに驚くこととなったーー。



***



「新入社員を紹介する」



支部長が、朝礼の時にそう言った。


さっき胡桃が話していたばかりだったので、まさか今日だとは思っていなかった。


やっぱり、みんな考えることは同じなのかザワザワしている。


この時期に入ってくる人なんて、滅多に居ないからーー。



「はい、静かに!......じゃあ、自己紹介よろしく」



そう支部長に言われ、一気にシーンと静かになる。


そして、いつの間にか私たちの後ろに居た人が前に出た。

< 5 / 214 >

この作品をシェア

pagetop