後輩くんは溺愛を隠せない
私もここまで準備したのに、やっぱり帰るは無いと思ったけれど......、せっかくなら、どこか行きたい。
「ーーあ、買い物に付き合ってもらってもいい?」
この前、バックが壊れてしまったのだ。
今は代用品を使っているけれど、使い勝手が悪い。
早めに欲しいと思っていたので、どこでもいいなら......と思って言ってみたけれど。
「もちろんです!何買いたいんですか?」
「バックが欲しくて......」
「それなら、ショッピングモール行きましょうか。あそこなら色んな店がありますし」
買い物で良いみたい。
夏樹くんは、本当になんでも良かったんだなぁ......。
私はそんなことをしみじみと考えていた。
駅に着いて、今度は職場のある方に向かう電車に乗る。
「紗知先輩、ここ空いてますよ」
夏樹くんは、空いてる椅子をさして私を呼ぶ。
レディーファーストーー紳士だね......。
「いいよ、夏樹くんが座ったら?」