後輩くんは溺愛を隠せない



「紗知先輩がメニュー見てる時、オムライスと季節のパスタを真剣に見てたから、どっちか迷ってるのかなって思ってーー、俺がもうひとつ頼んで半分こすれば、紗知先輩は両方食べれるから喜ぶかなって......」



よく見てる......、というよりも。



「半分こしてくれるの?」



むしろ、して欲しい。



「紗知先輩が良ければ......」


「もちろん!ありがとう」



好きな物が両方食べれる事になり、私が断るはずは無かった。



「はぁ......もう、紗知先輩が可愛すぎる!」



笑顔でお礼を言っただけなのに、落ち込んでいた夏樹くんのテンションが復活していた。



***



ご飯は話していた通りに、半分こした。


のんびりご飯を食べた私達は今、ショッピングを再開していた。


今日の目当てだったバックを買うために......。



「紗知先輩、これ可愛いですよ!絶対似合います」



あくまで、今日の目的は壊れてしまった“仕事用の
バック”を買うこと。

< 63 / 214 >

この作品をシェア

pagetop