後輩くんは溺愛を隠せない
「紗知先輩がメニュー見てる時、オムライスと季節のパスタを真剣に見てたから、どっちか迷ってるのかなって思ってーー、俺がもうひとつ頼んで半分こすれば、紗知先輩は両方食べれるから喜ぶかなって......」
よく見てる......、というよりも。
「半分こしてくれるの?」
むしろ、して欲しい。
「紗知先輩が良ければ......」
「もちろん!ありがとう」
好きな物が両方食べれる事になり、私が断るはずは無かった。
「はぁ......もう、紗知先輩が可愛すぎる!」
笑顔でお礼を言っただけなのに、落ち込んでいた夏樹くんのテンションが復活していた。
***
ご飯は話していた通りに、半分こした。
のんびりご飯を食べた私達は今、ショッピングを再開していた。
今日の目当てだったバックを買うために......。
「紗知先輩、これ可愛いですよ!絶対似合います」
あくまで、今日の目的は壊れてしまった“仕事用の
バック”を買うこと。