後輩くんは溺愛を隠せない
き、着てみたい......。
「......ちょっと、待っててね」
私は誘惑には勝てずに、試着室に入った。
1着目は薄ピンクのロングプリーツスカートに白のニットでレースが所々入っている。
単品でも可愛いのに、この組み合わせだと最高だ。
「可愛い......」
似合うかどうかは別として、夏樹くんのセンスはやっぱり私好みだった。
この店に入った時点で思ったけど、なんで私の好みが分かったんだろう。
「紗知先輩?着れました?」
このまま、2着目を着ようとしたのにどうやら見せないといけないらしい。
まぁ、選んだの夏樹くんだから見たいのも当然か。
「き、着れたけど......」
改めて見られるのは、なんだか恥ずかしい。私は、恐る恐る試着室のカーテンを開けた。
開けてしまうと、隠れるところもなく、全身がみえてしまう。
「「......」」
目の前には夏樹くんと、何故かさっき案内してくれた店員さんもいた。
そして、2人とも私を見て固まっている。