後輩くんは溺愛を隠せない
「はい。こちらです」
ーーさすが、準備がいい。
「チケットと、予約確定のお知らせは郵送にしますか?ご来店されますか?」
「そうね......、郵送にしようかしら」
「かしこまりました。では、準備が出来ましたら郵送させていただきますね」
「よろしくね」
「かしこまりました。本日はご来店ありがとうございました」
「ありがとうございました」
私の後に夏樹くんも続いて、お見送りをした。
「紗知先輩!俺たち息ぴったりですね!」
思っていた......、私も思っていたよ。
ナイスタイミングで書類準備してくれてやりやすいと思った。
それを褒めようとしたのに、先に言われてしまっては、褒めにくい。
それも、すごく嬉しそうにーー。
「そ、そうだね......」
否定も出来ず、私はそう言うしかなかった。
「それと、この後は時間空くから、さっきの資料作りやってていいよ」
「わかりました!」
ルンルンでデスクに戻っていく夏樹くん。
息ぴったりな事が、そんなに嬉しかったのかな?