後輩くんは溺愛を隠せない


夏樹くんの後ろ姿を見ながら、私も自分のデスクに戻った。



***



「紗知先輩、日報見てもらっていいですか?」



17時になって直ぐに、夏樹くんは私のところに持ってきた。



「いいよ。貸して?」



受け取った紙をサラッと読んで確認する。



「夏樹くん、田中様の資料ってどこまで進んだ?」


「......まだ、大まかに候補を出しただけですね。まとめるのはまだです」



大まかにでも、候補を出すところまで進んでるいるのかーー、やっぱり早い。



「見せてもらってもいい?」


「え、でもーー」



見せたくなさそうな雰囲気を出している、夏樹くんを遮った。



「どんな所を選んだのか確認したいから」


「わかりました」


私だって、夏樹くんがどんな所を選んだのか、興味がある。


夏樹くんは、纏まっていない資料を見せることに戸惑ってはいたけれど渋々出してくれた。


これを見るだけでも、何を基準に見てるのか分かるので、アドバイスもできる。

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