後輩くんは溺愛を隠せない
ヒントは与えた。
まだ、ピンと来ていないようだけど、気づくことができれば、田中様にも満足してもらえる提案が出来ると思う。
後は、夏樹くんが自分で気づく事ができるかどうか......。
まぁ、初めてだからそこまで出来なくても、今の案をまとめる事さえできれば、合格は出すつもりなんだけどね。
それにしても、こんな指導の仕方で合ってるのだろうか......?
「ねぇ、春奈~、この後時間空いたらでいいから、ちょっといい?」
こういう時は、頼れる同期!
指導係としては、春奈の方が経験しているから、相談するにはピッタリだ。
「いいよ~。これ終わらせるから少し待ってて」
「はーい。夏樹くんは先に上がっていいよ、お疲れ様」
「ありがとうございます。紗知先輩、終わったら呼んでください。送っていくんで!」
「あ、今日は春奈と話して何時になるか分からないから、送らなくていいよ?」
夏樹くんはあのデート以来、実は毎日夜家まで送ってくれている。