後輩くんは溺愛を隠せない

「夏樹くん、優秀だから......どこまでやって、どこまで言ったらいいのか......今資料まとめ任せてみたんだけど、それも早かったんじゃないかと思って」



いくら優秀でも任せすぎたら、あの時みたいに嫌になって辞めてしまうんじゃないかと、いつも頭の中で考えてしまう。



「私は、黒瀬くんなら大丈夫だと思うけどなぁ。
むしろ、イキイキ仕事してるようにしか見えないよ？」


「そうなんだけど......」



たしかに、夏樹くんは真面目に仕事してるし、私から見てもイキイキと仕事してるように見える。


ただ、それがそう見せているだけだったら？実は嫌だと思われていたら？そう考えてしまうのだ。



「あの子は、紗知について行くと思うよ。今までの人達とは違うし......ね？」


「......」


「それにね、きっと、黒瀬くんは紗知と一緒に仕事出来るだけで喜んでいると思うよ？」


「それって、どういう意味？」


「ふふっ、内緒～」



私と仕事するだけで喜んでるってどうして？