後輩くんは溺愛を隠せない


今までの後輩とは、どこか違うことは感じている。


私のことを慕ってくれているのも分かる。


だけど、そんなに喜ぶほどなのかな?


春奈は、いくら聞いても教えてはくれなかった。



「まぁ、不安になったらいつでも聞くから言ってね~」



春奈の呑気な声にそう言われたけれど、やっぱり持つべきものは頼れる同期だね。


話をしたおかげで少し、気持ちが軽くなった気がした。



「ありがとう。また、その時はよろしくお願いします......」



そして、私たちは明日も仕事なので、ご飯は食べずにそのままお店を出た。



「ありがとね。また明日~」


「いつでも聞くよ。また明日ね」



そう言って、帰る方向の違う私達は駅の改札で別れた。改札を通り、ちょうど来た電車に乗ったところで、夏樹くんとの約束を思い出した。


連絡するって約束したんだよね......。


心配かけるのも悪いので、私はスマホのチャットアプリを開く。



(今から帰るよ)



シンプルにこんな感じでいいかな......。

< 85 / 214 >

この作品をシェア

pagetop