後輩くんは溺愛を隠せない
今までの後輩とは、どこか違うことは感じている。
私のことを慕ってくれているのも分かる。
だけど、そんなに喜ぶほどなのかな?
春奈は、いくら聞いても教えてはくれなかった。
「まぁ、不安になったらいつでも聞くから言ってね~」
春奈の呑気な声にそう言われたけれど、やっぱり持つべきものは頼れる同期だね。
話をしたおかげで少し、気持ちが軽くなった気がした。
「ありがとう。また、その時はよろしくお願いします......」
そして、私たちは明日も仕事なので、ご飯は食べずにそのままお店を出た。
「ありがとね。また明日~」
「いつでも聞くよ。また明日ね」
そう言って、帰る方向の違う私達は駅の改札で別れた。改札を通り、ちょうど来た電車に乗ったところで、夏樹くんとの約束を思い出した。
連絡するって約束したんだよね......。
心配かけるのも悪いので、私はスマホのチャットアプリを開く。
(今から帰るよ)
シンプルにこんな感じでいいかな......。