後輩くんは溺愛を隠せない



「ん~私はいいと思いますけど、多分紗知先輩なら違う雰囲気の所も入れると思いますよ」



違う雰囲気......?一応色んなところを入れているつもりだ。他にもあるのだろうか?



「あ、えっと、色んなところが入ってはいるんですけど、統一性がない......というか......、たとえば、私ならこの2つの宿を違うのに入れ替えます。後はお客様の好みですね」



斉藤さんが示したのは、紗知先輩なら案の中に入れると思っていた、穴場っぽい宿。


前に見せた時に、どうして入れたのか聞かれた所だ。


今までの俺だったら、案に入れないような宿だけどーー、もう少し見直してみよう。



「斉藤さん、ありがとうございます。もう少し見直してみます」


「はーい。頑張ってくださいね!」



斉藤さんは、そう言って自分の仕事に戻っていった。


よしっ!俺は、気合いを入れ直して、資料を見直した。以前の控えも保管室から持ってくる。



「うーん」



田中様が以前泊ったことのある宿は、穴場っぽい所ばかり。

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