後輩くんは溺愛を隠せない


どれも同じような雰囲気の場所ばかり......、ん?同じような?



「全部、同じ系列の宿......?」


「うん、正解!田中様はいつもこの系列の宿に泊まってるの。
一見穴場っぽいけど、予約人数に限りがあるからそう見えるんだよね......。でも実はすごく人気の宿だから、私達は見落としがちなんだよ」



俺も1度はこの系列の宿を候補に入れようとしたけれど、穴場と言うよりは予約の取りにくい宿だったので候補から外してしまった。


紗知先輩に言われて、しっかり見るまで気づけなかった。



「直ぐに資料作り直します!」


「うん、頑張れ~」



満面の笑みでそう言われて、俺のやる気も一気に上がった。


残り2日、紗知先輩に見直してもらい、手直しをする時間を考えたら残り1日。


限られた時間の中で、俺はパソコンと向き合いカタカタと必死に打ち込んだ。



「で、出来た......!」



資料が出来上がったのは、とっくに定時を過ぎて外も暗くなっていた。

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