君のパーカー


昨日、ライブだったはずなのに

迎えにくるってことは

もう大阪に帰ってきたのかな。

そんなことを考えながら荷物をまとめていると

スマホの画面が光った。



" ついた、向かい側のコンビニの駐車場おる。"



彼のLINEに 今行くね と返信し、会社を出た。

コンビニへ向かうと、彼の車があった。

運転席にいる彼は手をおいでおいでってしてる。

私は助手席のドアを開けて車に乗り込んだ。



『おかえり、残業やったん?』

「うん、ちょっと忙しくてね」

『家行ったらおらんくてびっくりしたわ』

「大ちゃんこそ、なんで大阪いるの?」

『え、俺大阪おったらあかんの?』



笑いながら彼はそんなことを言い出した。



「だって昨日ライブだったでしょ?」

『会いたなってん、しゃーないやん』


急にそんなこと言われたら、困っちゃうよ。

久しぶりの彼にどきどきしっぱなしのまま

家に着いた。

< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop