君のパーカー
我慢できなくて彼の腕の中から逃げようとした。
でも彼の力に勝てるわけもなく、
もっとぎゅっとされた。
『逃げようとした罰』
「だってくすぐったいんだもん」
『だってなんか知らんうちに俺のやつ着てるし』
「だってずっと会えなくて寂しかったんだもん」
はぁ〜....と大きなため息をついて、
私の肩に頭をのせてきた。
怒らせちゃったかな、、
大ちゃんいやだったかな、、
「大ちゃん、ごめん、やっぱ着替えてくるよ」
『ねえ、ちがうからほんまに、やめて』
『〇〇身長小さいから俺のやつ着てると
だぼだぼしててかわいすぎんねん』
「これ、大きくてあったかいよ」
『しかも着てる理由が俺に会えんくて
寂しかったからとか』
「だって大ちゃんの匂いするんだもん」
『かわいすぎんねんほんまに』
そういってフードをかぶせられた。
サイズが大きいからフードで
鼻まで隠れて前が見えない。
彼の方を見ようと左に顔を向けようとすると、
唇が一瞬あたたかくなった。