婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
平日の昼下がり。店内には主婦と思われる女性四人組と、仕事なのか休憩中なのか分からないがスーツ姿の男女が数名目につく。
騒がしいわけではなく、かといって静かすぎるわけでもなく、ちょうどいい空間だった。
飲み物で口を潤してから、白石さんは私の目を真っ直ぐ見る。
「ご存知かもしれませんが、私は新さんの元婚約者です。だからお二人の出会いがお見合いなのも、結婚が政略的で、ふたりの間に愛がないのも知っています」
私の受け取り方がよくないせいだと思うが、内容も口調も嫌な感じに聞こえる。
確かに政略結婚なのだから愛がないと思われても仕方がない。だからといって、私の話を聞く前から勝手に決めつけるのはどうなのかしら。
黙ったまま頷いて話の続きを促す。
「それに、彼には不特定多数の女性関係があることも、本人から聞いています」
なにそれ……。
さすがに動揺を隠しきれなくて目が泳いだ。そんな私の変化を見逃さないとでもいう鋭い視線が矢のように痛く突き刺さる。
騒がしいわけではなく、かといって静かすぎるわけでもなく、ちょうどいい空間だった。
飲み物で口を潤してから、白石さんは私の目を真っ直ぐ見る。
「ご存知かもしれませんが、私は新さんの元婚約者です。だからお二人の出会いがお見合いなのも、結婚が政略的で、ふたりの間に愛がないのも知っています」
私の受け取り方がよくないせいだと思うが、内容も口調も嫌な感じに聞こえる。
確かに政略結婚なのだから愛がないと思われても仕方がない。だからといって、私の話を聞く前から勝手に決めつけるのはどうなのかしら。
黙ったまま頷いて話の続きを促す。
「それに、彼には不特定多数の女性関係があることも、本人から聞いています」
なにそれ……。
さすがに動揺を隠しきれなくて目が泳いだ。そんな私の変化を見逃さないとでもいう鋭い視線が矢のように痛く突き刺さる。