婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
「さっきも話をしていたのに、茉莉子ったら本当に新くんが好きなのね」
ふふふ、と口元に手をあてて笑うお母さんの言葉にギョッとする。
「いつも私たちが一緒だから、なかなかふたりきりになる時間もなかったかな。気が利かなくてすまないね」
新さんのお父さままで見当違いな発言をする。
「それなら私たちは先に失礼して、後は若い二人でゆっくり過ごすといい」
真実を説明したくてもできない私を残し、上機嫌の彼等は速やかに退室した。
私たちを話題の種にした楽しそうな会話が遠ざかったのを確認してから、やっと腹の底に押し込めていた感情を爆発させる。
「いったいどういうつもりですか!」
「声がでかい。落ち着けって」
「落ち着けるわけがないでしょ! 私と結婚する意志もないくせに、どうしてあんな嘘をついたんですか!」
「嘘はついていない。俺は茉莉子と結婚する」
どうしてそんな顔をするの。
これまでに目にしたことのない真剣な表情を向けられて、心臓がドクンッと大きく音を立てた。
「……本当に、どうしちゃったんですか」
「ずっと考えていたんだ。茉莉子と結婚しなかったら俺はどうなるのかと」
新さんはまだ食べきっていなかったフルーツをのんびり食べながら話しはじめる。
ふふふ、と口元に手をあてて笑うお母さんの言葉にギョッとする。
「いつも私たちが一緒だから、なかなかふたりきりになる時間もなかったかな。気が利かなくてすまないね」
新さんのお父さままで見当違いな発言をする。
「それなら私たちは先に失礼して、後は若い二人でゆっくり過ごすといい」
真実を説明したくてもできない私を残し、上機嫌の彼等は速やかに退室した。
私たちを話題の種にした楽しそうな会話が遠ざかったのを確認してから、やっと腹の底に押し込めていた感情を爆発させる。
「いったいどういうつもりですか!」
「声がでかい。落ち着けって」
「落ち着けるわけがないでしょ! 私と結婚する意志もないくせに、どうしてあんな嘘をついたんですか!」
「嘘はついていない。俺は茉莉子と結婚する」
どうしてそんな顔をするの。
これまでに目にしたことのない真剣な表情を向けられて、心臓がドクンッと大きく音を立てた。
「……本当に、どうしちゃったんですか」
「ずっと考えていたんだ。茉莉子と結婚しなかったら俺はどうなるのかと」
新さんはまだ食べきっていなかったフルーツをのんびり食べながら話しはじめる。