婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
肩の辺りに優しい秋の陽射しを感じつつ、胸に溜め込んでいる不安を吐き出すように口を開く。
「恐らくですが、今日の締めくくりに結婚の話が出るかと思います。父には、大学卒業後は就職せずに嫁ぐよう言われていますから」
大学四年生の秋になっても就職活動をしていない私は、代わりに様々な花嫁修業をしている。特に料理は上手であればあるほどいいとお父さんに言われ、管理栄養士養成課程のある大学に進学させられたくらいだ。
幸いなことに料理を作るのは好きだし、国家資格を取得するのは取り柄のない私にとって大きな自信となったので、この点においてはよかったのだけれど。
「まずは結納の時期についてでしょうね」
「そうなるな」
新さんは相変わらず興味がなさそうな、我関せずと言った表情を浮かべている。
というか、ずっと気になっていたのだが、いつもより顔色が悪い。
「もしかして体調が優れないですか?」
新さんは目を見張って、珍しく驚いた表情を見せた。
こんなにも疲れた顔をしているのに、気づかれないと思っていたのだろうか。
「恐らくですが、今日の締めくくりに結婚の話が出るかと思います。父には、大学卒業後は就職せずに嫁ぐよう言われていますから」
大学四年生の秋になっても就職活動をしていない私は、代わりに様々な花嫁修業をしている。特に料理は上手であればあるほどいいとお父さんに言われ、管理栄養士養成課程のある大学に進学させられたくらいだ。
幸いなことに料理を作るのは好きだし、国家資格を取得するのは取り柄のない私にとって大きな自信となったので、この点においてはよかったのだけれど。
「まずは結納の時期についてでしょうね」
「そうなるな」
新さんは相変わらず興味がなさそうな、我関せずと言った表情を浮かべている。
というか、ずっと気になっていたのだが、いつもより顔色が悪い。
「もしかして体調が優れないですか?」
新さんは目を見張って、珍しく驚いた表情を見せた。
こんなにも疲れた顔をしているのに、気づかれないと思っていたのだろうか。