婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
新たな悩み
新婚生活はあっという間に過ぎていき、男女の関係を持ってからもう一ヶ月が経過しようとしている。
私たちの間柄は大きく変化して、新さんは隙あらば私にキスをするし、スキンシップがかなり多くなった。
私の方は、生活面などで頼りにしているのは以前と変わりないが、それ以外にも個人的な内容で甘えたりするようになった。
一見すると夫婦円満のようだけれど、行為を重ねても〝好き〟という感情の確認作業はしていない。
もちろん好きと叫びたくなる時もあるし、自分がどう思われているのか知りたい。でも同じくらい知るのが怖い。
あとどれくらいしたら、この気持ちと上手に付き合っていけるようになるのだろうか。
いつ子供ができてもおかしくない環境なのに、夫婦関係がぼんやりとしているため、今の段階で未来のふたりの姿は全く想像できないでいる。
仕事もせず日中ひとりでいるのは時間を持て余すだろうと予想していたのに、慣れない生活に四苦八苦しながらこなす家事はなかなか大変だった。
それでも掃除洗濯を終えて買い物に行ってしまえば、昼食を済ませてから夕飯の支度まで空き時間ができる。この数時間を趣味の読書や編み物にあてたりしているので、毎日外で仕事に励んでいる新さんを考えると、とても申し訳なくなる。