Lose everything
7

土日とも陽真から
連絡はなかった。

付き合いだして
こんな事は一度もなかった。

いつも煩いくらい
連絡が来たり
会いにきたりする陽真。

実家だから、遠慮しているのかと
思ったから
帰りついたよ
の、LINEの後に
“ゆっくりしてね”
と、LINEをした。

中々、既読にならなかったが
私は、母親のご飯を食べると
いつの間にか
また、眠ってしまっていた。

日曜日もゴロゴロしていると
母にグチグチ言われたが
「嫁にいったら、こんな風には
できないのだから
たまには、許して」
と、言うと
母親は、半ば呆れながら
苦笑いをしていた。

月曜日に会社に行くと
課長に呼ばれて
陽真の退職の話を聞かされた。


どうやって・・

自分のデスクに戻ったのか
わからないほど
動揺していた・・


頭の中は・・・
ただ・・た‥‥だ・・うそっ・・・
ウソ‥‥‥だよ‥‥‥ねっ‥‥‥‥

桜子の顔を見て
渉が直ぐに私のデスクにやってきて

私の腕をとると
抱えてその場から
連れ出してくれた。

課長には、許可得てるから
と、渉に言われて
ああ、そうかと他人事のように。

そのまま、渉に
小会議室へと入れられ
「なに?何かあったの?」
と、訊かれて
「‥‥はる‥‥まがっ‥‥はるま‥‥が‥‥」
と、泣く私に
「高木が、どうしたの?
事故か、なにか?」
「‥‥‥ちが‥‥うっ‥‥会社‥‥を‥‥
辞め‥‥‥たって‥‥‥‥」
「えっ、辞めた?なぜ?いつ?」
「今日‥‥‥付けって‥‥‥‥」
「どうして、そうなってるの?」
「‥・・・わか・・ん‥‥‥ないっ‥‥」
「携帯、連絡した?」
「‥‥‥‥して‥‥‥ない‥‥」
今まで、こんな情けない
桜子を見たことがなくて
渉も動揺していたが
渉は、直ぐに陽真に電話をした。
[お繋ぎできませんでした。]
と、器械音が流れる
携帯を切っているか
変えたか
だと、渉は思って
「桜子、式場は?」
と、訊いて式場にかけると
女性から
土曜日に陽真自身から
連絡が入りキャンセルに
お見えになりました。
と、言われた。

本日キャンセル料も支払いが
終わっていると言われた。

最後に、新婦様になられる
宮下 桜子様へ
お手紙を預かっておりますが・・
と、言われて

渉は、桜子を連れて
式場に向かった。
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