Lose everything
翌朝、早目に家を出て
桜子さんを桜子さんのマンションに
送った。
「待ってるから、一緒に行こう。」
と、言ったが、桜子さんから
丁重に断られたから
俺は会社の近くで
カフェに入り
朝食をとった。
それ日から、何かと
桜子さんに絡み
桜子さんを飲みに誘ったり
遊びに誘ったりする日々
桜子さんは、いささか
呆れながらも
5回に1回は相手にしてくれた
飲みの時は、那木さんも一緒に。
何度目かの飲み会の時に
桜子さんの幼馴染みである
しゅうちゃんの事を話してくれた。
しゅうちゃん事
大山 秀一さん 37才
写真家で桜子さん家の隣に
住んでいる。
お互いに一人っ子同士で
兄妹みたいに育ったらしい
両家も仲が良くて
桜子さんは、小学生の時から
ずっと秀一さんが好きだったらしい。
その秀一さんが
写真の編集者の女性と
結婚する事が決まり、
招待状を届けにきた。
そんな秀一さんにもう一度
自分の気持ちを伝えたが
「桜子、ありがとう。
でも、俺にとって桜子は、
大切で、可愛い妹なんだ。
いつまでも、
俺の妹でいてもらえないか?」
と、言われて
泣き泣き、頷いてしまったと・・
その日、三人で飲んで騒いで
バラバラに帰宅した。