Lose everything
金曜日の夜からソワソワしている
陽真・・・
部屋の片付けは‥‥やった。
明日、桜子が到着して
疲れてなかったら
そのまま、ラベンダー畑を桜子に
見せたい。
桜子を空港まで迎えに行き
到着ゲートから桜子の姿が見えると
陽真は、走りより桜子を抱き締める。
恥ずかしい気持ちもあるが
今は、何より陽真を感じたいと
思う事が優先する桜子。
回りからは‥‥‥‥
わぁ・・・
すごい・・・
撮影?・・・・
彼、カッコいい
彼女も綺麗・・・・
そんな声が聴こえ
二人は、微笑みあった。
「桜子、疲れた?」
「ううん、大丈夫。」
「桜子、このままラベンダー畑を
見に行こうか?」
「うん、行ってみたい。」
桜子が、微笑んでくれたのを見て
陽真は、桜子の手を繋いで
駐車場に向かった。
「北海道広くて車ないと
大変だから、車を買ったんだ。」
「そうなんだね。
陽真の運転する姿みれるなんて新鮮」
と、桜子に言われて
陽真は、照れてしまう。
二人で車に乗り込み
出発すると桜子は、じっと陽真を
見ているから
「さっ、桜子っ、見すぎ
恥ずかしいよ」
「あっ、そうっ、そうだよね
ごめん。」
「いやっ、謝らなくていい。
俺が恥ずかしいだけだから」
と、言う俺の顔は赤いと思う
桜子も赤い顔をするから
左手で桜子の手を取り繋ぐ
桜子は、
「危ないよ。」
と、言ったが
「大丈夫だよ、安全運転で行くから。」
と、言い桜子の職場の話や渉さんの
話をしながら目的地に向かった。
ラベンダー畑に着くと
桜子は、声を出すのを忘れたように
立ち止まったまま
一面のラベンダーを見つめていた。
少し・・・して
「すっごく、綺麗だね。
圧巻過ぎて声が出なかった。
ずっと、いたいね、ここに。」
「良かった、喜んでくれて
俺も初めてみたとき
絶句した。
ラベンダーとか、どこでもあるだろうと
思っていたんだ。
でも、全然違う。
それと、桜子にみせたいな
と、ずっと思っていたんだ。」
と、言うと
桜子は、俺に抱きついてきて
「ありがとう。私をずっと想ってくれて。」
と、言うから
「桜子‥‥‥‥愛してる。」
と、抱き締め返した。
二人で高台に行ったり
ベンチに腰かけたりして
ラベンダー畑を飽きることなく見ていた。
「桜子、北海道に来ないか?
桜子の両親も俺の両親も
東京だけど。
俺が、寂しくないようにする
一生、桜子を愛す。
桜子と別の道を進む事は
俺にはできない。
俺は、桜子がいないとダメなんだ。
だけど、直ぐに決めて欲しい訳じゃない
頭の片隅でいいから置いといて。」
「うん、うん、わかった。
私も、ずっと陽真といたい。」
二人で手を握りしめあった。
一度、プロポーズをして
指輪も渡して、式の申し込みもした。
そんな過去がある俺達だ。
プロポーズや式には、
もうこだわらない。
指輪は、夫婦としての証だけで良い。
だけど、桜子の御両親に
桜子のウェディングドレス姿は
見せたいから家族式に
しようと陽真は、思っていたが
今は、桜子を焦らせることなく
進んで行きたいと思っていた。