Lose everything

初めて入る陽真の部屋は、
綺麗に片付けられていた。

必死で片付けたんだと
照れながら話す陽真に
笑みがもれる。

まだ、完全ではないが
笑いたいと思う気持ちが
沸き上がってくる。

陽真が、側にいるからだ・・・

こんなに‥‥‥‥‥
好きになっているなんて‥‥‥
思って‥‥いなかった。

今度‥‥もし‥‥‥‥
陽真と離れるような事があったら
私は、私でいれないだろうと
分かる。

「何、難しい顔してるの?」
「ん?少し考え事。」
「なに?また、変な事考えてたろ?」
「えっ、何でわかるの?」
「何でって。ずっと桜子を
見てきたから・・かな。
で、なに?」
「あのね、もし次に陽真と
離れるようなことになったら
私は、私でいれないだろうなぁって。」
と、話すと
「ない。そんなことは絶対にないよ。
俺は、桜子から離れないし。
死んでも天国で一緒だから。」
と、言いながら抱き締めて
キスをされた。

私も陽真の首に腕を回して
「こんなに、好きになっていたのに
気づいていなかった。」
と、自分からも陽真にキスをすると
陽真が、私を抱き上げて
「桜子、食事は後にして。
ごめん、先に抱かせて」
と、言うから
真っ赤になりながら頷いた、

お互いの存在を確かめるように
愛しあった。
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