Lose everything
渉に
「逆プロポーズだね。」
と、笑われてしまった。
前回は、陽真がしてくれた
だから、今回は、私から
と、考えた。
それに、陽真を誰にも
渡したくない。
なら、自分が頑張るしかない
と、思ったのだが・・・
いくら気持ちが通じているとはいえ
プロポーズは、緊張する。
陽真も、そうだったのかな・・・
土曜は、陽真は車椅子で
散歩をしたり、ゆっくりした。
陽真の部屋に帰り
片付けをしたり
陽真の洗濯物をしたりして
日曜日の朝、病院に行き
夕方の便で、東京に戻った。
陽真は、私の体を心配していたが
自分より、陽真の方が心配なんだから
仕方ない。
それに、
「逆だったら
陽真は、こないの?」
と、言うと
「それを言われたら・・」と
しどろもどろだったから
「無理はしないから
好きなようにさせて。」
と、言うと
「ありがとう。」
と、言ってくれた。
翌週は、お義母さんが
陽真の元にお父さんと
向かった。
せっかくの親子水入らずだからと
私は、遠慮させてもらった。
きっと、私の体を心配して
陽真の両親が言ってくれたと
思ったから
自分の部屋の片付けや
渉と食事に出掛けた。
陽真は、寂しいとか
会いたいとか
顔みたいとか
LINEがきたり、電話がかかったりして
渉も呆れていた。
「来週は、行くから待っててね。」
と、電話で話し
LINEに
『私も会いたい!
愛してる!』
と、送っておいた。
それをみた陽真が
照れているのが
容易に想像できて
一人で笑っていると
「いや~ね、一人でニタニタ。」
「ニタニタは、ないでしょ!」
「だって、ニコニコじゃないよ
今のは、ニタニタだよ。」
「もぅ!!」
と、騒いでいると
「でもさ、桜子。
綺麗に笑えるようになったね
ほんと、良かった。
悔しいけど、高木のおかげだわ。」
「うん。渉には沢山心配かけて
本当にごめんね。
そして、こんな私とずっと一緒に
いてくれて、ありがとう。」
と、言うと
「ばかっ、当たり前。」
と、涙をいっぱい浮かべてくれた。
本当に、渉がいてくれて
良かったと心から思う。