Lose everything

陽真は、ひと月、
会社を休んでから復帰する。
ゆっくりと身体ならしから。

仕事をしても
痛みも感じなくなって
東京へ帰った。

桜子と一緒に
まずは俺の両親があう。

義母さんと桜子は、
俺の入院から仲良しになっていて
女二人でLINEしたり
食事に行ったりしているようだ。
「桜子さん、陽真が入院中は
心配かけた上に、何度も足を
運んでもらって、ありがとう。
お陰で私達は、ゆっくりできたよ。」
と、お父さんに言われて
「その節は、本当に申し訳
ありませんでした。
それなのに、陽真さんが怪我を
した時に、私にも連絡頂いて
ありがとうございました。
陽真さんの側にいられて
安心することができました。」
「もう、前の事は忘れましょう。
陽真も悪かったのですから。
私も家内も、陽真と桜子さんが
幸せなら、それで良いんです。」
と、言ってもらい
私は涙が流れ
陽真が慌てて涙を拭いてくれた。

翌日に私の実家に行く。
お父さんもお義母さんも一緒に

私の両親には、帰る事は伝えていた。

陽真は、いささか緊張ぎみであるが
「頑張るから」
と、言っていた。

四人でお義母さんが作ってくれた
食事を取りながら
お父さんは、陽真の身体の事と
陽真が一般の方を助けた事を
社長が喜んでいて大変だと
嬉しそうに話していた。

私の実家では
陽真が両親にきちんと謝罪をして
「もう一度、チャンスを頂いて
誠心誠意を込めて
必ず桜子さんを幸せにします。
どうか、結婚させて下さい。」
と、頭を下げた。
同時に陽真の両親と私も頭を下げる。

母は、涙を流しながら
優しく笑ってくれていた
父は、目を瞑り
「桜子、二度はないよ。
わかってるな。

だが、お前が、陽真君ではないと
ダメなのは、よくわかったよ。

お前の笑顔を取り戻してくれたのは
他でもない陽真君だからね。

陽真君といつまでも幸せに
笑っていなさい。

高木さん、陽真君
どうぞ、桜子を宜しくお願いします。」
と、父が陽真と陽真の両親に
頭を下げると母も一緒に下げていた。
「お父さん‥‥‥お母さん‥‥‥」と、私
「ありがとうございます。
必ず二人で幸せになります。」と、陽真

それから、六人でこれからの
話をした。

式は、家族だけで。
桜子の退職にあわせて
北海道に移る。

陽真のお父さんから
「いずれは、東京に戻ると
思いますが、新規の支店が
落ち着くまでは、北海道で
頑張ってもらうしかない。」
と、言われた。

そうなの?と言う陽真に
みんなも笑っていた。

実家から戻り
陽真の両親も帰り
私達は、私のマンションへ

陽真は、秀一さんへ
私は、渉へ
今日の報告をした。

二人とも、自分の事のように
喜んでくれた。

是非、二人には式にも出て欲しいと
言うと。
「「よろこんで!」」
と、言ってもらえた。
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