Lose everything

式の翌日に入籍をして
私は、高木 桜子となった。

証人欄には
私達を再会させてくれた
秀一さんと渉に書いてもらった。

陽真の義妹さんの千紗さんは、
御産をしたばかりで
入院中だったから
入籍してから病院へと行った。

千紗さんのご主人と
二人のお子さんの
愛花(あいか)ちゃんに会った。
とっても可愛い女の子。

千紗さんは、謝ってくれたが
その必要はありません
と、伝えた。
私達には、きっと必要な時間だったと
思っているからと話すと
涙を流していた。
「桜子さんって、本当に綺麗な人だね。
お兄ちゃん、良かったね
こんな綺麗な奥さん貰えて」
と、千紗さんに言われて
「ああ。俺がこの世で一番
愛する人だ。
千紗も幸せになれよ。」
と、陽真がいうと
千紗さんは、
「きざ~」
と、言いながら嬉しそうにしていた。

千紗さんの旦那さんも
優しい人で
千紗さんは、幸せそうだった。
愛花ちゃんを抱かせてもらってから
帰宅した。

陽真は、北海道で
少し広い物件に引っ越しをした。
桜子の必要な物は送るだけになっていて
あとは、廃棄する。

明日、陽真が帰ったら
桜子は、マンションを解約して
実家に帰り、残り数日の会社勤務をする。

退職したら、直ぐに北海道へと
飛ぶ事になっている。

「陽真、幸せだね。」
と、言うと
「まだまだ、今からだよ」
と、言われて
朝まで、離してもらえなかった。

「もう、本当に
どこから、その体力くるの?」
「体力?わかんない。
桜子を見るとがぜん欲しくなるんだ。」
「私の方が年上なんだから
手加減してよ。」
「いや~無理。
桜子が悪いから、あきらめて。」
「他の事は、とっても優しいのに
夜だけは、何にも聞いてくれない。」
「だって、桜子を抱きたいんだから
仕方ない。」
と、ニヤニヤしながら
近づいて来る陽真に
私は下がりながら
恐怖を感じていたが
そのまま、また、愛されてしまい
陽真は、ルンルンしながら
北海道へと帰っていった。

私は、玄関に見送りもできずに
「もう、ばかっ」
と、ベッドから叫んだ。
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