Lose everything
実は、渉の母親は
京都の老舗旅館の女将。
今、お兄さん夫婦が
後継者として
一緒に働いている。
父親は、京都府警で働き
今は、警察学校の校長。
厳しく・優しい→父
しっかりもの→母
妹に甘い→兄
仲良し→兄嫁
母の所に、渉との縁を持ちたいと
縁談の話がきているみたいだが
渉が相手にせずにきたので
母が断りをしていた。
だが・・・
「渉、あなた、いい加減に
しなさいよ。
いつまでも、一人でいるから
あちこちから、話が来るのよ。
早く結婚しなさい。
断る私の身になりなさい!!」
と、朝から母親の怒鳴り声
「お母さん?朝からうるさい。
話し?知らないわよ、そんなの。
あっ、今日帰るから
お父さんもいる?」
と、えっ、とか
帰るの?とか、騒いでいる
母の声を聞きながら
電話を切った。
「良かったの?電話。」
「うん、大丈夫でしょう。
あっ、今日行くって
言っちゃったよ。
良かったの?
もう、逃げられないよ。
篤‥‥‥‥うふふっ‥‥‥」
「その笑い、怖いよ!!
逃げるつもりなら
とうの昔に、逃げてる」
と、言いながら
私にキスをするのは
冴島 篤だ。
顕と合った、次の朝
部屋のブザーがなり
出てみると
「やはり、目腫れてるよ」
「なっ、どうしたの?」
「ん?気になって、入っても?」
「えっ、あ~、どうぞ。」
「はい、お邪魔します。」
と、私の脇を抜けて
廊下を進んで行く冴島さん。
「ちょっと」
と、後を追いながら
可笑しくなった。
「何、笑ってるの?」
と、振り向いて、言う冴島さんに
「優しんだか、なんだか
わからなくて、うふふっ」
「ん?優しいに決まってるでしょ」
と、言いながら
ソファーに座り
自分の横をポンポンと叩いた。
座れと言っていると思い
ソファーの逆の端に座ると
「なんで、離れて座るの?」
と、言って
自分から私の前に立ち
私の膝裏と背中に手を回して
抱き上げ自分の膝に乗せた。
「なっ、何?」
「暴れないよ、眠れたの?」
平気で訊ねる冴島さんに
「う~ん、たぶん」
「そう。」
と、言いながら
私を抱き締めた。
「あのまま、一緒に居ようかと
思ったけど、弱味に漬け込むみたい
だから、我慢して帰った。」
「クスクスっ、ありがとう。」
本当に、優しんだか?
わかりづらい‥‥‥‥‥!
「ねぇ、終わったんだよね?
昨日の人とは?」
「うん、私の中では二ヶ月以上前から
終わっていたけどね。」
「そう、良かった。
なら、もう、良いね。」
「なにが?‥‥‥‥‥‥
と、言っている間に
キスをされた
驚く‥‥‥‥暇なく‥‥‥‥
キスは、だんだんと深くなり
舌を絡めとられ、吸い上げられて
「ふぅ‥‥‥‥ん‥‥‥」
「ここがよい?ベッドがよい?」
と、聞きながらもキスをやめないから
返事できずにいると
抱き上げられて
キスをされながら
寝室へと運ばれた。
良く寝室がわかったな?と
思いながら‥‥‥
冷静な自分が、可笑しくなる