Lose everything
渉の大親友である桜子さんは、
本当に渉とは別の意味で
美しい人だった。
その桜子さんのご主人の
陽真君は、桜子さんに
べったりで、片時も離れない。
「だから、やきもちの対象にも
ならない、と言ったでしょう。」
と、渉はニヤケ顔
「ふん!!」
と、鼻で飛ばすと
「仲良しで良かった。」
と、桜子さん。
そんな彼と一度離れて
笑えなくなったと
渉に聞いたが
まったく、わからないくらい
綺麗に笑っている。
本当に、幸せなんだと
良くわかる。
「桜子、俺以外に笑ったらだめ。」
「また、はじまった。
高木、あんたね。」
と、渉と陽真君の仲の良さに
「渉、俺以外と話しちゃだめ。」
と、俺が言うと
三人はキョトンとして
笑いだす。
渉は、真っ赤になりながら
陽真君は、俺と似たり寄ったりだと
桜子さんは、すごく嬉しそうに。
桜子さんと陽真君は、
第一子が産まれてくる事を
楽しみにしていた。
産まれたら、会いにくるからね
と、渉と約束をして
俺達は、北海道を後にした。
京都に飛んで
お義母さんの旅館に宿泊して
京都観光する。
最後に千葉に行き
親父達と食事をしたり
ランドを回ったり
渉は、楽しそうにしていた。
渉は、クールそうに見えるが
人情味があって
人を良く見ているから
直ぐに助け船をだす。
根っからの優しさだと思う
それは、男性にも女性に対してでも
あるため、俺は毎度、毎度
やきもちを妬くことになる。
こんなに
好きになる人と出会えるなんて
思ってもいなかった。
腕の中から
出したくないほど
惚れている。
元カレと、再会したときも
自分を隠しに隠して
話をさせた。
元に戻ったら
どうしようと・・・
気が狂いそうだったが。
もう、二度会わせるきもないし
他の男と二人になんか
させるつもりはない。