俺様アイドルに求愛されてます!!〜プリンセスがプリンス?〜
「了解。」
「先行ってて。みんなに声掛けてから行くから」
「了解」
百香の姿が見えなくなるのを確認してから深く被ったフードを外す。
それに気づいたファン達の歓声が大きくなっていく。
「みんなー!今日は来てくれてありがとう!もう少し時間があるから静かに待ってろよ。」
「「きゃー!!!」」
「?」
瑠樺の見先には小さな子供が人混みに飲まれながら泣いている。
母親とはぐれたのだろう。
少しずつ近づくと女の子の近くの人達が押し寄せて後ろに消えていく。
「ちょっと、そこの女の子」
「「?」」
「この子ですか?」
「そう。母親誰?」
「「?」」
「おいで」
軽々と抱き寄せると女の子は不思議そうな顔でこちらを見てくる。
「お母さんは?」
「わかんない」
「あんた、軽いな。ご飯食べてんの?」
「うん。1回」