俺様アイドルに求愛されてます!!〜プリンセスがプリンス?〜
暗くなっていたステージが一気に明るくなり静まり返っていた会場も大きな歓声が包み込む。
「「きゃー!」」
「「雷斗ーー!」」
「「夜菜ーー!」」
「お前ら、それだけかよ」
「全然聞こえねー」
「「きゃーーーー!」」
社長の時とはまた違う空気が一気に会場を包み込む。
お客さんは、元気そうに持っていたタオルを振り回し、楽しそうだ。
見事なアクロバットも、成功し1層会場が熱に包まれる。
モニターを見ているハルカの後ろから外から戻ってきた音羽が来る。
「どうだった?」
「んー、さっきの子。保健所の人に連れて行かれたんだけど親がね、見つからないみたい。前から問題視されてたみたいで、施設に入るらしい」
「あー、そうなんだ」
「助けてくれてありがとうだってよ。女の子が言ってた」
「良かった。」
音羽と話している間に雷斗と夜菜の曲はあと1曲となっていた。
緊張のあまり胸が痛くなり近くにある椅子に座ると心配そうにお母さんが近づいてきた。
「ハルカ。無理しなくていいのよ」
「うん」
「ここにいるみんなはあなたのためにやってるの。あなたの味方はいくらでもいるの。だから深く考えずにやりなさい」
「はい」
「そうだ。ハルカをいじめる奴がいたら俺のところに連れてきなさい。懲らしめてやる」
「ふふ、ありがとう」