俺様アイドルに求愛されてます!!〜プリンセスがプリンス?〜
「任せて」
取材を受ける部屋へと移動するとまだ記者の人しかいなかった。
まだ予定時間まで10分もあるからな。
椅子に腰かけて手元にあったインタビュー内容に目を通していると。
「瑠樺さん」
「はい?」
「やっぱり。ずっと思っていたんですけど声が少し女の子っぽいですよね」
「?」
「あ、目綺麗ですね。カラコンですか?」
何この人?まだインタビュー始まってないしそれに、息遣い荒くない?
「カラコンじゃないです」
「そうですかー。あ、まつ毛がついてますよ」
中年の記者は顔に手を伸ばしてくる。
とっさに手をはらいのけると。
「いたっ」
「何するんですか?」
「今叩きましたね。このこと記事にしますから」
「はぁ?意味わかんね」
「そんな大口叩けるのも今だけだからな!」
こいつ頭いかれてんな。
「すいませーん。誰か来てください」
瑠樺が大声で他のスタッフを呼ぶと記者は慌てた様子で瑠樺の口を塞いできた。
「うるさい!」
「お、やめ」
「どうされました?って、あんた誰!」
部屋に入ってきた女性スタッフのお陰で怪我はしなかったが大騒ぎとなった。
中年の記者は、変装した一般の人だった。
本当の記者は別の部屋で資料を印刷していたらしい。
「瑠樺さん大丈夫ですか?」
「はい。俺は大丈夫デスから取材はいつ始めるんですか?」
「あのですね。雷斗さんと夜菜さんが渋滞に巻き込まれてあと20分はかかるそうです」