俺様アイドルに求愛されてます!!〜プリンセスがプリンス?〜
いつもお前らとしか呼んでいない雷斗が分かるはずがない。
??
なんで少し落ち込んでいるんだろう。
不思議に思いながら雷斗を見つめると、後ろのドアから夜菜が入ってきた。
「雷斗ー。なんか教室がすげーことになってるって、なんだその格好」
「こいつだろ?誰だ?」
「誰ってハルカだろ」
「は?」
「やっぱり夜菜なら分かってくれると思ってた」
「おっ、おう!」
「お、お前……。」
「林、さっきお前の彼女が教室の前でソワソワしてたぞ」
「えっ!ちょっとハルカ、行ってくる」
「うん!」
頬を赤くしながら小走りで真守は教室を出ていった。
真守って、頭はいいけどなんか子供みたい。
ほのぼのしく眺めていると視界の中に夜菜が入ってくる。
「?」
「ハルカってさ、ほんと可愛いよね」
「え!?なに急に」
「いや、メガネ壊した時もめっちゃ可愛いなって思って。」
「ど、ドッキリか何か?よくわかんないけど」
「やめとけよ、夜菜。」
「なんでだ?」
「理由はねーよ」
「は?そんな理由で納得するわけねーだろ」
「あ?なんだよその態度」
「ちょっと2人。喧嘩はダメだよ」
3人の気まずい空気を破ってくれたのは用事で出ていた接客の子達だった。
嫌な雰囲気のまま、文化祭は始まりそれからの2人は口を聞かなくなってしまった。