【完】喫茶「ベゴニア」の奇跡
「こう見えても成績は高校も大学も首席で卒業だからね」
人は見た目で判断してはいけないことを痛感する。素直に大人しく「ごめんなさい」と謝罪をして、さっき桐山さんから受け取ったメニューを開くことにした。モーニングとランチだけが載っている初めて見るメニュー。見開きの左のページには一番大きく、ボードに書かれてある同じ内容のたまごサンドセットが載せてあった。他にも一通りメニューを確認したが、なんだかんだ一番食欲をそそられたそのメニューを注文することにした。
「どうする、橋本さん」
「たまごサンドセットでお願いします」
「飲み物はコーヒー?」
「もちろん。豆は桐山さんチョイスでお願いします」
そう言うと、桐山さんは嬉しそうに「了解」と親指を立ててグッジョブする。由希くんがいるからか、先日よりもかなりフランクな雰囲気でこれもまた彼の魅力が高まっているような気がする。すぐに準備してくるからと、一度バックスペースに戻ったため、由希くんと2人になった。
彼の正面のテーブルには某フルーツのマークが中央に入っているパソコンが一台と、傍にはカフェオレ。右の席には重そうな本がたくさん入っているカバンが置かれていた。
「よくこの喫茶店にはくるの?」
「ああ、うん。仕事を持ち込んでよくね。昼間がほとんどだから奈央ちゃんとは今日が初めてだね」
多いときは週の半分のお昼はここで過ごすこともあるらしい。だからここの常連客は全員俺のファンであり支援者であり友達なんだよと自慢気に語り始めた。
「何の仕事しているの?」
「小説家」
「へぇ・・・小説家。なるほ、・・・小説家?!」
「そ。早乙女ゆきって知らない?」
早乙女ゆき。もちろん知っている名前だった。だって、世の中の女の子の間ではかなり有名な恋愛小説家の名前なのだから。青春でピュアなストーリーが多く、読んでいるこっちが少し恥ずかしくなるくらいで、この前もウェブ限定放送で短編ドラマ化されたばかりなのだ。
「早乙女ゆきってそりゃあみんな知ってる・・・って、あの早乙女ゆきなの?ほ、本物?」
「当たり前だろうよ。恋愛の代弁者とは俺のことよ」
こんなピュアっピュアな小説をかけるなんて、さぞかし可愛くて可憐な女の人なんだろうな。そう思っていた。本当に人は見た目で判断してはいけないことを反省。しかし、本物に会えるだなんてと私は感激してしまった。まさかその本人が金髪のコミュ力が高いアラサー男性だとは思わなかったけれども。
人は見た目で判断してはいけないことを痛感する。素直に大人しく「ごめんなさい」と謝罪をして、さっき桐山さんから受け取ったメニューを開くことにした。モーニングとランチだけが載っている初めて見るメニュー。見開きの左のページには一番大きく、ボードに書かれてある同じ内容のたまごサンドセットが載せてあった。他にも一通りメニューを確認したが、なんだかんだ一番食欲をそそられたそのメニューを注文することにした。
「どうする、橋本さん」
「たまごサンドセットでお願いします」
「飲み物はコーヒー?」
「もちろん。豆は桐山さんチョイスでお願いします」
そう言うと、桐山さんは嬉しそうに「了解」と親指を立ててグッジョブする。由希くんがいるからか、先日よりもかなりフランクな雰囲気でこれもまた彼の魅力が高まっているような気がする。すぐに準備してくるからと、一度バックスペースに戻ったため、由希くんと2人になった。
彼の正面のテーブルには某フルーツのマークが中央に入っているパソコンが一台と、傍にはカフェオレ。右の席には重そうな本がたくさん入っているカバンが置かれていた。
「よくこの喫茶店にはくるの?」
「ああ、うん。仕事を持ち込んでよくね。昼間がほとんどだから奈央ちゃんとは今日が初めてだね」
多いときは週の半分のお昼はここで過ごすこともあるらしい。だからここの常連客は全員俺のファンであり支援者であり友達なんだよと自慢気に語り始めた。
「何の仕事しているの?」
「小説家」
「へぇ・・・小説家。なるほ、・・・小説家?!」
「そ。早乙女ゆきって知らない?」
早乙女ゆき。もちろん知っている名前だった。だって、世の中の女の子の間ではかなり有名な恋愛小説家の名前なのだから。青春でピュアなストーリーが多く、読んでいるこっちが少し恥ずかしくなるくらいで、この前もウェブ限定放送で短編ドラマ化されたばかりなのだ。
「早乙女ゆきってそりゃあみんな知ってる・・・って、あの早乙女ゆきなの?ほ、本物?」
「当たり前だろうよ。恋愛の代弁者とは俺のことよ」
こんなピュアっピュアな小説をかけるなんて、さぞかし可愛くて可憐な女の人なんだろうな。そう思っていた。本当に人は見た目で判断してはいけないことを反省。しかし、本物に会えるだなんてと私は感激してしまった。まさかその本人が金髪のコミュ力が高いアラサー男性だとは思わなかったけれども。