初めてのお見舞い ~15年目の小さな試練 番外編(1)~
「あ、飲み物準備するよ。何がいいかな? コーヒー、紅茶、ハーブティー、日本茶、中国茶……。ケーキあるからジュースはなしかな」

「種類多過ぎだろっ!」

 海堂が突っ込み、また笑い声があふれる。

「で、海堂は何がいい?」

「何でもいいから合わせる」

「別にバラバラでいいけど」

 そんなことを話している間に、いつの間にか本城が女子を取りまとめていた。

「コーヒー1つ、紅茶2つで!」

「了解」

 河野と海堂にも確認した後、ハルにも聞く。

「ハルはどうする?」

「んー、ミルクティがいいな」

「了解。沙代さんに頼んでくるね」

「ありがとう」

 にっこり微笑むハルが可愛すぎて、思わず頬にキスをすると、

「カナ!」

 と怒られた。

 うーん。家だと抑えが効かない。

「ごめんごめん」

 謝りながら抱きしめると、

「もう」

 と腕の中から諦めたような声が聞こえてきた。


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