コイッペキ
「おぉ、図書委員って人気あるんだなー。何がいいんだか」
と、ナカヨシの突っ込みに。
皆がクスクスと笑う。
ヒナは目の前の光景を見て。
オワッタと思った。
挙手しているのは10名ほど。
半分以上が女子だ。
「じゃあ、とりあえず。次行くっす」
ナカヨシが黒板を見て「風紀委員やりたい人~」と言う。

一通り、皆の希望を聴いた後。
「じゃあ、図書委員は人数多いからジャンケンすね」
とナカヨシがいきなりとんでもないことを言い出した。
(げぇー)
ヒナは心の中で絶叫する。
ジャンケンで勝ったことなんて一度だってない。
負けるに決まってるじゃないか。

落ち込んでいるうちに。
「じゃあ、図書委員希望の方は前に集まってジャンケンしてください」
とナカヨシが話を進めていく。
とりあえず、ジャンケンはしようと。
ヒナは図書委員希望の人たちに加わろうとすると。
トド先生が、
「なぁ? 僕見ていて思ったんだけど。ナカヨシ、お前。学級委員に向いてると思うな」
急に、先生がナカヨシを誉めだした。
「え、マジっすか。俺なんかが学級委員なったら、このクラス崩壊すると思うんすけど」
と、言いながらも。どこか嬉しそうな表情をするナカヨシ。
それを見て、ヒナは思わず鼻で笑った。
すると、今度はトド先生がヒナの方を見た。
「女子はそうだな。箕輪で良いと思うな」
「…ハイ?」
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