コイッペキ
陽菜は、ずっと大学を卒業するまで。
恵麻たちと一緒の学校に通えると信じていた。
それを、裏切ったのは。
父親の転勤だった。
北海道に行くことになった。
父親から告げられた陽菜は荒れ狂った。
自分だけ残ると言ったが、両親は許してくれなかった。
それでも、陽菜は毎日のように泣いて暴れた。
中学生生活の3年間は、家族4人北海道で暮らした。
そして、高校の進学を機に。
陽菜と蛍は元のマンションへと戻ってきた。

私立〇△学院高校は3つのコースがある。
1つは中高一貫コース。
恵麻と紫恩はこの中高一貫コースに属している。
本来ならば、陽菜もこの中高一貫コースになるはずだったのだが。
引っ越してしまったのだから、仕方ない。

陽菜が通うコースは進学コースだ。
高校受験の試験結果の上位30名ほどしか入学できないコース。
要は頭の良い人が集うエリートコースだ。

中高一貫コース、進学コース、そして一般コース。
陽菜が何故、一般コースではなく進学コースを選んだか。
それは、授業内容にあった。
進学コースを選べば、週に何度か中高一貫コースの人たちと一緒に授業を受けることが出来るのだ。
それを知って、陽菜は死に物狂いで勉強した。
今もそれを怠ることはない。

中高一貫コースだけは、校舎が違う。
学校について、ほどなく。
恵麻たちと、陽菜は別れて。
それぞれの校舎に向かう。
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