33歳の初恋【佳作受賞】
 そうして6月の日曜日。
夕凪先生は、とても綺麗な花嫁になった。

私は、心を込めてピアノで伴奏をする。

涙に濡れた夕凪先生は、とても幸せそうだ。

羨ましくないと言ったら嘘になる。

私には決して訪れない幸せ。

大好きになった木村先生は、式には参列していない。

けれど、子供たちの引率で、扉の陰にひっそりと立つ木村先生を見つけた。

私は、忘れないようにその姿を瞼に焼き付けて、ピアノを弾く。

木村先生、私と出会ってくれてありがとうございました…



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