先輩と、一時間。
.。.:*♡.。.:*♡.。.:*♡
「あの……これ、落としました?」
背後から聞こえた声に振り返ると、そこにはクマのキーホルダーを手に持った高校生がいた。
「あ、私のです!」
「よかった……」
そう言って安堵している男子高校生は、私が高校生になってからいつも同じ電車の人。
いつも単語帳を見ているから、なんとなく記憶に残っていた。
「ありがとうございます」
私がもう一度そう言うと、二人の間を沈黙が包む。
き、気まずい……
そう思った時、男子高校生がブハッと笑った。