死骸

きっと『生きていなくていい』と
不意にその言葉が心に浮かんできたその瞬間


『死』はもっとも接近する


もしもそこに『死』というスイッチがあったならば、無気力な自分が無感情に指をそこに添えて、重力のなすがままにカチッと音が鳴るだろう。



『生きていなくていい』という言葉の真の意味は、そんな状態を味わった者にしか理解は出来ない。

味わった者でも、説明は出来ない。



私は死骸となった自分を想像してみた。
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