きみに命を絶たせないため。
はぁと息を吐いたのち、よく似合う銀縁メガネをあげた。
「絶つのか」
『命を』。嗚呼、そのつもりだ。そうだった。でも、千がいると……。
「俺は邪魔かな?」
クスリと笑う、その余裕そうな感じが……。
「あんたのこと、すきになれない」
「へぇ」
どうしたら、それだけ自信たっぷりに笑えるのか。
「死にたいんだ。新花は」
どうして、名前……苗字呼びじゃないの?
「……」
“死にたい”って思いながら生きるのと、“いつ死んでもいい”って思いながら生きるのでは、きっと違うって、信じてる。
私は……。