きみに命を絶たせないため。



︎︎◌



いつも通り、朝が来た。

久々に見た夢に、酔っている気もした。

早朝だと言うのに、酒をあびている、罵倒が趣味のロクでなしの父が、珍しくテレビを、ニュースを見ている。



今日はまだ怒られていないな。

少し喜びながら、いまのうちに家を出ようと急ぐ。……と。



「なぁ」

声を、かけられる。

少し震えた。



顔を向けず、テレビにも奴にも目がいかぬようにしながら、次の言葉を待つ。




「死ぬなよ」


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