【女の事件】女王蜂~魔女になってしまった花嫁さん
第2話
やすあきからきつい暴力を繰り返して受けていたことが原因で、しほこは『ダンナとダンナの親きょうだいと親類どもをひとりのこらず殺すより他はない!!』と言う気持ちになっていたのと同時に、乳房(むね)の奥底で増殖を続けていたスズメバチがより凶暴になっていた。

しほこは、かつて富田新港のショッケン(日本食研)のキューデン(宮殿)本社で販売企画のお仕事をしていて、社内恋愛で知り合った男性スタッフさんとの結婚を夢みて暮らしていた。

それなのに、やすあきの両親がしほこの恋人の家に行って『あんたの上司のためにカノジョと別れてくれ…』とジカダンパンをしたことが原因で、別れてしまった。

しほこと結婚をする予定であった男性スタッフさんは、やすあきの両親のしほこと別れたあと、ショッケンをやめてしまった。

しほこ自身は『DVのダンナを殺した後、今治を出て遠い街でひとりぼっちで暮らして行く。』と決意していたので、怒りがさらに増幅していた。

2015年8月14日のことであった。

富田新港にあるショッケンのキューデン本社にて…

この日は、敷地内にある庭園で社内恋愛で知り合ったカップルさん二組が婚前の事前撮りのロケがあった。

この時、やすあきの部署の男性スタッフさんが来ていなかったので、写真館のスタッフさんたちが困っていた。

原因は、男性スタッフさんが婚前の事前撮りのロケに行くとやすあきに伝えたのに、やすあきが腹を立てて怒っていたので、男性スタッフさんが庭園に行くことができずに困っていた。

男性スタッフさんがやすあきにロケに行きたいと言うているのに、やすあきがますます怒った口調で男性スタッフさんをイカクしていた。

「事前撮りだと…何で今日するのだ!?」
「決まっていることなのですよ…」
「誰の許可を得ているのだ!?」
「誰の許可をって…会社…」
「オレの許可がいるのだ!!オレがダメだと言っているのだからダメだ!!今は勤務時間中なのだぞ!!」
「課長、課長は社内恋愛推進会社…」
「推進会社だからなんだと言うのだ!!勤務時間中は仕事をしろ!!オラオドレ!!オドレは今朝私から与えられた仕事をだいぶ残しているじゃないか!!今日中に与えられた仕事をしておけナマケモノが!!」

やすあきは、男性スタッフさんに思いきりキレた後、部屋を出ていった。

男性スタッフさんは、やすあきから『ナマケモノ』と怒鳴られたので、思いきりキレてしまった後、やすあきのデスクに握りこぶしを作ってドスーンと叩いた。

やすあきが社内恋愛のカップルさんの事前撮りのロケがある日にけちをつけていったトラブルを起こるたびに、しほこは周囲から集中砲火を浴びていた。

しほこがパートで働いている喜田村のマクドの店舗にて…

やすあきが社内恋愛のカップルさん二組の事前撮りのロケを妨害したので、しほこは店長から『帰ってください!!』と言われてチュウボウから追い出された。

…と言うのも、やすあきがいる部署の男性スタッフさんと結婚をする予定であったマクドのパートの女のコが挙式の事前撮りを楽しみにしていたのに、やすあきがけちをつけたことが原因でイシュクしてしまった。

だから、店長さんはしほこをチュウボウから追い出した。

何でアタシがチュウボウから追いだされないといけないのかしら…

ダンナが婚前の事前撮りロケを妨害した原因は、全部アタシにあると言いたいのかしら…

もうイヤ…

もうイヤ…

しほこは、女子トイレの洗面所の鏡に顔を写してこう思っていた。

そんな時であったが、清掃で入っている70代後半の女性が心配そうな表情でしほこに声をかけて来た。

「しほこさん…しほこさん…」
「ああ、(清掃で入っている女性)さん…」
「しほこさん…今日も仕事をさせてもらえなかったのかい?」
「ええ…ダンナが社内恋愛のカップルさん二組にけちをつけたので…仕事をするなと言われて…仕事をさせてもらえなかった…」
「かわいそうに…やすあきがショッケンにいるから…やめた方がいいみたいだわ…」
「えっ?それどういう意味なのでしょうか?」
「うちのおいのショーショクのことよ…大阪の大学にいてはるけど…卒業後のシューショク先をどこにしょうがと思って、ショッケンをすすめたのよ…先月、内定をもらったばかりだけど、暴力をふるわれるかもしれないから、やめさせることにしたわ…」
「それはどう意味なのでしょうか!?」
「やすあきがショッケンにいるから内定を辞退するのよ…あななパワハラ男がいる職場にいたら、オイゴはショッケンに殺されてしまうわよ!!それよりもしほこさん!!今回の問題はしほこさんにも否があるのよ!!あんたもしかしてダンナを粗末にするだけ粗末にしよんじゃないのかしら!!」
「キーッ!!何なのよあんたは一体!!アタシにイチャモンつける気なのかしら!!アタシもう、マクドをやめることにしたわ!!サイアク!!なんなのよあんたは一体!!」

しほこは、洗面台の上に置かれていた小物を全部バッグにしまいこんだ後、バッグを持って女子トイレから出ていった。

8月17日のことであった。

場所は、富田新港のキューデン本社の総務の部屋にて…

やすあきは、14日に行われる予定であった社内恋愛のカップルさんの事前撮りのロケをホゴにしたのでもうしわけないと思って、男性スタッフさんに優しく声をかけていた。

「(男性スタッフさん)、14日の時はすまなかった…楽しみにしていた事前撮りのロケを妨害したことについてはあやまるよ…」
「なんなのですか課長は…」
「だから、あやまると言っているだろ…」
「そんなあやまりかたをされても…許すことはできません!!」
「だからあやまるよ…あやまる…」

そこへ、やすあきのことを見込んで育てた沼隈さんが、いかつい表情でやって来た。

「やすあき!!」
「沼隈さん…」
「14日の事前撮りのロケを妨害したことで話があるから一階の社員食堂へ来なさい!!命令に従えといよんのがきこえんのか!!」

やすあきは、一階の社員食堂へ行って、14日に起こしたトラブルのことを沼隈さんと一緒に話し合っていた。

沼隈さんは、やすあきにあつかましい声でこう言うていた。

「やすあき…お前、この頃生活態度が悪いぞ!!自分の顔を鏡に写して、よぉーにみてみろ!!」
「なんだよもう…」
「オドレが14日に社内恋愛のカップルさんの事前撮りのロケにけちをつけて、ロケを日のべにさせてしまったことについて、かわりの日が取れないので、会社が困っているのだよ…」
「それで…」
「オドレな!!社内恋愛のカップルさんにイカクを繰り返すわ、事前撮りのロケを妨害するわ…そんなことを繰り返しているようだから、ショッケンをやめろと言うとんや!!」
「それで…」

沼隈さんは、やすあきにラクタンした声で言う。

「やすあきさん…あんた、ショッケンやめる?」
「オレにショッケンをやめろと言いたいのかよぉ…」
「私は、やすあきさんが製造工場で働いていた時からずっとあなたを見ていたけれど…」
「沼隈さん…」
「どうしたのだね…」
「社内恋愛推進会社は、なんのためなのでしょうか…勤務時間に婚前の事前撮りのロケをするなんて…職場の敷地を使って事前撮りのロケをして言いと言う許可は誰が出したのだ!!」
「やすあきさん、ほんならもうショッケンやめたら!?」
「やめてどーせー言うんぞ!?」
「休養せえと言うているのだよ…」
「休養だと!!」

やすあきは、沼隈さんの言葉に対してますますキレていた。

やすあきは、社員食堂へ来ていた社内恋愛のカップルさんにシツヨウに物を投げつけていたので、沼隈さんはキレてしまった。

「やすあき!!もうお前はショッケンから出てゆけ!!社内恋愛のカップルさんたちに暴力をふるいつづけるひとなんかうちの会社にいる資格なんかないわ!!出てゆけ出てゆけ出てゆけ出てゆけ出てゆけ出てゆけハラスメント魔!!」

この後、やすあきは大声を張り上げて社内恋愛のカップルさんたちにイカクを加えていたので、沼隈さんは社長と人事担当者の人に電話をして、やすあきに対する査問委員会をひらいてくれと言うた。

やすあきは、次の日からデスクの整理や仕事の引き継ぎをしろと命ぜられたので、デスクの整理や後任への引き継ぎをすることになったが、やる気がないのでほったらかしにしていた。
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