贖罪のイデア
追憶①
「マイケル!」
イデアは我に返ると、炎の剣を携えたマイケルの元へ駆け寄る。
既に力を出し切ったのか剣と翼は雲散霧消し、マイケルはイデアの腕の中に倒れる。
「ごめん……イデア……やっぱり僕の体力じゃ……アイツからは逃げきれ……なかったよ」
「ううん、私こそごめんなさい……! 私が敵の罠にはまったりしなければこんなことには……!」
マイケルの出血はかなり酷い。腹や肩を切り裂かれ、さっき立っていられたのすら不思議なくらいだ。
「ねえイデア……」
「マイケル?」
血のこびり付いた口を歪めて、彼は笑った。
「僕は『彼』を再び呼び戻した……僕は君の天使になれたのかな……?」
「もちろん……マイケルは私の天使だよ……! だからもうお願い、二度と離れないで……!」
「……そっか」
イデアの涙が頬を伝い、マイケルの顔に雨の様に落ちた。
「それなら良かった……」
「マイケル……? マイケル……⁉」
安らかに目を閉じるマイケルに、イデアは縋りつく。
彼の体は驚く程冷たい。今にも命の灯が消えてしまいそうな程に。
彼を救う手立てがないわけではなかった。
だけど、せっかく分かり会えたのに……この力を使えば、きっと彼はイデアに失望する。
――ううん、今更そんなことを恐れるなんて馬鹿げている。
例えマイケルがもう二度と私の天使になってくれないとしても……私はこれ以上罪を背負うわけにはいかない。
イデアはマイケルを強く抱きしめると、奇跡の名を叫んだ。
「『ガブリエルの箱庭!』」
イデアは我に返ると、炎の剣を携えたマイケルの元へ駆け寄る。
既に力を出し切ったのか剣と翼は雲散霧消し、マイケルはイデアの腕の中に倒れる。
「ごめん……イデア……やっぱり僕の体力じゃ……アイツからは逃げきれ……なかったよ」
「ううん、私こそごめんなさい……! 私が敵の罠にはまったりしなければこんなことには……!」
マイケルの出血はかなり酷い。腹や肩を切り裂かれ、さっき立っていられたのすら不思議なくらいだ。
「ねえイデア……」
「マイケル?」
血のこびり付いた口を歪めて、彼は笑った。
「僕は『彼』を再び呼び戻した……僕は君の天使になれたのかな……?」
「もちろん……マイケルは私の天使だよ……! だからもうお願い、二度と離れないで……!」
「……そっか」
イデアの涙が頬を伝い、マイケルの顔に雨の様に落ちた。
「それなら良かった……」
「マイケル……? マイケル……⁉」
安らかに目を閉じるマイケルに、イデアは縋りつく。
彼の体は驚く程冷たい。今にも命の灯が消えてしまいそうな程に。
彼を救う手立てがないわけではなかった。
だけど、せっかく分かり会えたのに……この力を使えば、きっと彼はイデアに失望する。
――ううん、今更そんなことを恐れるなんて馬鹿げている。
例えマイケルがもう二度と私の天使になってくれないとしても……私はこれ以上罪を背負うわけにはいかない。
イデアはマイケルを強く抱きしめると、奇跡の名を叫んだ。
「『ガブリエルの箱庭!』」