【短】Reduce
外はいつの間にか、小雨がぱらついていて肌寒い。
傘も持たずに薄いパーカーだけを羽織って出て来た自分を呪いつつも、足早にすぐそこにあるコンビニへと歩を進める。
ピザまんとかいいな…。
少し間延びしたチャイム音と同時に自動ドアが開き、おでんの香りと、スナックコーナーの良い香りが鼻孔をくすぐった。
私ははぁーっと両手を合わせて、かじかんだ手を温めながら店内を物色していく。
レンチン出来るオカズ系か、それともポテトチップスとかのお菓子か。
最初に思ったように、ピザまんだけは絶対に買って帰ろう。
そう思いながら、私はいつもとは違う銘柄のビールとハイボールの缶を2本ずつカゴに入れて、オカズ系コーナーでんー…と迷った。
でも、悩んでも埒があかないので、レジ横のスナックコーナーで焼き鳥とメンチカツを買うことにする。
「あ、ピザまんも1つ下さい」
コイツはどれだけ飲んで食ってするのか…?
と思われたかもしれないけれど、まぁ人の目を気にすることもない。
自分のお金で買うものなんだから、堂々としていればいい。
「ありがとうございましたー」
そして再び店員と同じ間延びしたチャイム音に送り出され、私はコンビニを後にした。