モデル彼氏とお姫サマ☆






あたしはもう一度口元を上げて笑うと、目に涙を溜めたまま顔を上げた。


途端に、溜まっていた涙達が大粒となって頬を滑り落ちる。



「ごめんね…。」



目を細めたあたしは悲しげに笑うと片手で口元を押さえた。


やばっ…。


面白くて笑っちゃいそう。


ここで笑っちゃったら、せっかくの演技が水の泡だ。


目は真っ赤で泣いていても口元を隠す手の下では、ばっちりと歯が見えて…あたしは笑っていた。






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