先生は溺愛ダンナさま  旅行編
「えっ、どんな?」


高校生の時の夢と聞いて何かを察したのか彼がちょっと焦りだしてしまう。


「あの頃、すみれには悲しい思いをいっぱいさせちゃってたから、俺のせいだな」


「違う、違うよ理人さんが悪いんじゃないから。それにもう大丈夫。夢の内容なんて忘れちゃったもん」


これ以上彼に心配をかけたくなくて私は無理やり笑顔をつくる。


そう、もう過去のことだもん。


いまさら蒸し返したって仕方がない。それよりも彼に嫌な思いをさせたくないんだ。


「ほんとにごめん、すみれの心にトラウマができていないか心配だよ」


「え、トラウマだなんて大袈裟だよ、理人さんたら」
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