先生は溺愛ダンナさま  旅行編
多分、道を尋ねられているようなんだけど私は声を出すこともできなくて緊張していた。


私の英語の成績って、いつも赤点すれすれで酷かったから。


こんなことなら学生の時まじめに勉強しておけばよかった。


せめて、アイドント ノー イングリッシュ くらい言えればよかったのかもしれないけど。


みるみる血の気がひいていき、倒れそうになったその時。


「すみれ、大丈夫?」


私の背中を支えるように手を添えてくれたのは。


ああ、私の愛する旦那さまだー。


でも待てよ、理人さんは国語の先生だから日本語専門。


そうだ、ここは万国共通のジェスチャーで謝り倒してこの場を乗り切るしかない。

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